第3回人権・同和教育指導者養成講座を開催しました。

 10月11日(水)、香川県教育委員会人権・同和教育課との共催で実施している人権・同和教育指導者養成講座を国立療養所大島青松園で開催しました。今回は午前と午後の2グループに分かれての見学でした。高松港で集合し、官有船に乗り、庵治沖にある大島をめざしました。


 まず、午前のグループは、入所者の方からお話を聞きました。中学校の時に発症し、卒業後、プロミン(ハンセン病の治療薬)ですぐに治るからと言われ、故郷から大島へ兄に連れられて来たそうです。
 大島での生活や重病者の看病、食事や土木作業などについて詳しく説明をいただきました。つらい出来事やしんどい作業の話とともに、ふるさとへ帰郷した時の親、兄弟、近所の人たちとの和やかな様子を聞き、心が温かくなりました。


 続いて、これまでに亡くなった多くの入所者の遺骨が眠る納骨堂や遺灰が納められた「風の舞」を見学しました。死んでからも差別を受け、故郷に帰れなかった人たちが風に乗り、故郷へ帰りたいという思いが込められた「風の舞」を見ながら、参加者一人ひとりの心に感じるものがありました。


 その後、瀬戸内国際芸術祭でも公開していた「解剖台」やかつての居住施設を見学しました。

 最後に、社会交流館を見学しました。1955年当時のジオラマやハンセン病についてのパネルなどのさまざま展示物がありました。入所者の人たちが隔離された環境の中でも、ともに芸術や文化、スポーツなどを楽しみ、「生きること」に前向きに生活していたことがわかりました。


 半日の大島青松園の見学でしたが、今回は差別の悲惨さよりも生きること、ともに力を合わせることの素晴らしさを感じ取ることができました。
 皆さんも、ぜひ瀬戸内国際芸術祭などを活用して大島青松園を訪れ、直接、肌と心で入所者の皆さんの思いを感じ取ってみてはいかがでしょうか。

2023年10月16日