香同教のあゆみ

1 結成に向けて

[1953年]

 全国同和教育研究協議会(全同教)が結成され、翌年には四国地方同和教育研究協議会(四同教)が結成される。香川県における同和教育は全同教・四同教や他府県の実践に学びながら、同和地区を有する市町教育委員会・小学校・中学校において個々に取組が始まった。そして、全同教大会や近県の研究会・研修会に熱意ある有志が積極的に参加し、研究組織並びに研究の方向を探求した。

[1957年]

 善通寺市教育委員会、善通寺市立小・中学校長会主催のもとに、与北小学校が中心となって「同和教育の共通理解をはかる」という研究主題を設け、学校教育・社会教育の両面から積極的な実践活動を展開することとなった。このことが香川県における同和教育の端緒となり、県内においても同和教育研究組織結成の機運が盛りあがってきた。

[1960年]

 全同教・四同教の勧めもあり、白川徳一県教委社会教育課主事によって、結成のために県内の教育機関への働きかけと事務局設置がすすめられた。

2 香同教結成

[1961年]

 1月21日、55団体加盟による香川県同和教育研究協議会(香同教)が結成され、香川の同和教育がさらに一歩大きく前進することになった。同年6月8日、第2回総会で、初代会長に白川徳一校長(木田郡三木町立井戸小学校)が就任、以後7年間にわたって創設期の香同教の発展に多大な尽力をされた。

3 香同教の発展

[1963年]

四国地区同和教育研究大会(四同教研究大会)香川で初めて開催

 1月26日、第9回四同教研究大会が香川県で初めて開催された。会場となった高松市の讃岐会館には、県内からは23人、他県から15人が集まって、午前は各県代表者から同和教育の現状報告と問題提起があり、午後は「部落差別をどうとらえるか」が討議された。その後、4年ごとに香川県で開催している。

[1969年]

全国同和教育研究協議会(全同教)に加盟

 全同教や他府県の方がたの支援をいただきながら、県内においても組織の充実に努め、11月に開催された第21回全同教研究大会(大津市)を機に、香同教が全同教に加盟した。香同教発行の会報No.8にはその時の模様が次のように書かれている。

 ・・・特に本県では、多年の懸案であった香同教の全同教への加入を本大会で正式に表明した。大会冒頭に、石尾義孝香同教会長が行った加入表明のあいさつは、満場の聴衆を魅了する名演説で、本大会史の1ページをいろどるものとなった。なお、本県からは80余名の会員が参加し、その内17名の方に全体会・記録報告者を依頼して、この大会の模様を県下の皆さんに報告することにした。

[1985年]

第1回香川県同和教育研究大会(香同教研究大会)を開催

 香同教はより一層研究を推進するために、「差別の現実から深く学びつつ、生活を高め未来を保障する教育内容を創造し、人権尊重の教育を徹底しよう」をテーマに、県教委と共催で、第1回香同教研究大会を開催した。午前中の分科会は、幼保・小・中・高・社会教育の5部会に分かれて研究協議を行った。翌年からは、課題別分科会で行われるようになり、現在に至っている。午後の全体会(四国新聞社大ホール)での講演会の講師は、当時の全同教の寺沢亮一事務局長であった。(参加者数753名)

[1999年]

第51回全国人権・同和教育研究大会(全同教研究大会) 香川で初めて開催

 11月27日から3日間、大会名称を「全国人権・同和教育研究大会」に変更して、初めて香川の地で、「うけつごう 確かな実践 築こう 人権文化」を地元スローガンに掲げ、第51回全同教研究大会が開催された。

[2003年]

香川県人権・同和教育研究協議会(香同教)に名称変更

 香同教のこれまで40数年にわたる同和教育の成果と課題を整理し、今後の研究の方向性を明確にするため、5月13日の第44回香同教総会において、会則を一部変更した。その結果、香同教の組織名称は、香川県人権・同和教育研究協議会となった。また大会名も香川県人権・同和教育研究大会(香同教大会)となった。

[2004年]

第20回香川県人権・同和教育研究大会(香同教大会)を開催

 高松市文化芸術ホールを中心に、第20回香同教大会を開催する。

[2011年]香同教結成50周年

 香同教結成50周年を迎え、8月30日に記念式典を開催した。また、香同教結成50周年記念誌として「香同教のあゆみ」と、その別冊として「香川の部落史」を刊行した。

[2014年]

第66回全国人権・同和教育研究大会を開催

 香川県で15年ぶりとなる全国大会を高松市総合体育館をメイン会場に、高松市・土庄町・小豆島町で12月6日(土)・7日(日)に開催した。県内外から1万人を超える参加者が集い、各地から持ち寄った実践を交流した。

4 組織の充実

 1961年の結成当時、加盟団体が55団体でスタートした香同教は、2022年5月現在、473団体が加盟する県内最大の教育研究団体である。